公演の概要
公演名 | ミュージカル座 野の花 |
日時 | 2020年8月21日(金) 18時30分開演 |
会場 | 中目黒キンケロ・シアター |
脚本・演出 音楽 (敬称略) | 脚本:ハマナカトオル 演出:中本吉成 音楽:久田菜美 |
出演 (敬称略) | リーザ【ドイツ人の少女】:花房里枝(elfin’) ルイーゼ【ユダヤ人の少女】:山内優花 おばあさん【年老いた現在のリーザ】:白木美貴子 イーダ【中学生の女の子】:中村茉稟 オットー【リーザの父】:伊藤俊彦 パウラ【リーザの母】:大原万由子 カール【リーザの夫】:小寺利光 ハンス【リーザの兄】:坂口湧久 アルベルト【ルイーゼの父】:砂山康之 モーリス【ルイーゼの夫】:伊藤龍介 エヴァ【イーダの母】:釜野真希 ヘルガ【イーダの叔母】:川上 茜 シュタイナー先生、タマラ【リーザの学校の先生】:富山真有 クララ【リーザの友達】:畠山はなの インゲ【リーザの友達】:林田天使 子供の頃のエヴァ:前田 礼 子供の頃のヘルガ:谷 妃菜 男:高橋飛翔 |
上演時間(実際) | 第1幕 64分(休憩 16分)第2幕 62分 合計 142分 |
詳細は、公式サイトをご覧ください。
公演のおススメ度
おススメ度 | ・第二次世界大戦下のドイツにおける物語ですが、二人の少女の友情、家族の絆が細やかに描かれています。 ・ミュージカル座のストレート・プレイという珍しい公演ですが、カーテン・コールの歌唱には涙を禁じ得ませんでした。 |
初鑑賞での おススメ度 | ・テーマの背景に暗さはありますが、心温かになる物語です。 ・長すぎることもなく、物語も分かりやすいものですので、初鑑賞にもおススメです。 |
どんな人に おススメ? | ・演劇好きの方でしたら、どなたにもおススメします。 ・ミュージカル座ではなかなかない演劇であり、ミュージカルとは違った一面を観たい人も楽しめると思います。 |
ポイントごとの感想
演目 | ・戦争が背景にあるため、悲しさを感じる物語です。しかし、それを吹き飛ばすほどの人間の力を感じる世界を体感できました。 ・家族の歴史を通して、人間は生きる力を得られることを教えてくれました。 ・舞台中央に左右に開閉する扉を設けることにより、重層な物語世界を作られていました。 |
団体・ キャスト | ・リーザ役の花房さんは、可憐そうに見えながら強さを併せ持った女性を見事に表現していました。 ・ルイーゼ役の山内さんからは、傍若無人とも思えるほどの強さが伝わってきました。それなのに、ルイーゼには魅力を感じたのは不思議です。 ・おばあさん役の白木さんの存在感、ストーリー・テラーぶりが見事で、物語の世界に引き込まれてしまいました。 ・リーザの父オットー役の伊藤さんのパワフルさと、ルイーゼの父アルベルト役の砂山さんのゆったり感が、対照的でした。 ・カール役の小寺さんの、内に何かを秘めたような存在に、興味を引かれました。 ・ハンス役の坂口さんの、狂気表現が際立っていました。 ・リーザの母パウラ役の大原さんの醸し出す雰囲気が、魅力的でした。 ・キャストの皆さんのキャラが立っており、舞台の世界に入り込めました。 ・舞台音楽は久田さんの生演奏であり、美しい音色も楽しめました。 |
劇場 | ・小さな劇場であり。舞台上の世界がすぐそこにあるように感じました。 |
その他 | ・感染症対策で、全座席の周りに「コの字型」に透明の間仕切りが設置されています。一席ずつ空けての着席ではありませんが、飛沫が飛ばないように見事な工夫が施されています。このような工夫をしてくださったことに、感謝しております。 |
全体の感想
第二次世界大戦下のドイツにおける物語ですが、二人の少女の友情、家族の絆が細やかに描かれています。戦争が背景にあるため、悲しさを感じる物語です。しかし、それを吹き飛ばすほどの人間の力を感じる世界を体感できました。
リーザ役の花房さんは、可憐そうに見えながら強さを併せ持った女性を見事に表現していました。
ルイーゼ役の山内さんからは、傍若無人とも思えるほどの強さが伝わってきました。それなのに、ルイーゼには魅力を感じたのは不思議です。
おばあさん役の白木さんの存在感、ストーリー・テラーぶりが見事で、物語の世界に引き込まれてしまいました。
小さな劇場での演劇ながら、舞台音楽は久田さんの生演奏であり、とても贅沢な時間を楽しめました。そして、カーテン・コールの歌唱には涙を禁じ得ませんでした。
心温かになる、とてもお勧めの公演です。