2020/9/9 国立劇場「絵本太功記」 ~家族の情愛が伝わる物語を、呂太夫さん、呂勢太夫の見事な表現で堪能~

公演の概要

公演名国立劇場「絵本太功記」
日時2020年9月9日(日) 17時開演
会場国立劇場 小劇場
出演
(敬称略)
(一部)
夕顔棚の段
豊竹 睦太夫
鶴澤 清志郎
尼ヶ崎の段
(前)豊竹 呂勢太夫
鶴澤 清治
(後)豊竹 呂太夫
鶴澤 清介
<人形役割>
母さつき:桐竹 勘壽
妻操:吉田 蓑二郎
嫁初菊:吉田 一輔
旅装 実は 真柴久吉:吉田 文昇
武智光秀:吉田 玉志
武智十次郎:吉田 勘彌
加藤正清:桐竹 勘次郎
上演時間(実際)96分(休憩なし)

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度5 out of 5 stars
・明智光秀が織田信長を討った歴史上の出来事を背景とし、光秀家族の情愛を趣き深く描いています。
・慎ましやかな暮らしと華やかさ双方を楽しめる物語です。
初鑑賞での
おススメ度
5 out of 5 stars
・歴史上の出来事をもとにしており、説明なしでも物語の背景を理解することができます。
・戦とは違う人情劇を味わうことができます。
どんな人に
おススメ?
・文楽好きな方でしたら、どなたにもおススメします。
・文楽に興味のある方にもおススメです。

ポイントごとの感想

演目・主殺しの謀反者を出してしまった家族の苦悩、さらなる過ちを防ぐ母の親心、息子が抱えてしまった心の重荷が、丁寧に描かれています。
・戦いに向かう華やかなラストも見物です。
団体・
キャスト
・豊竹呂太夫さんの緩急ある、語り掛けるような表現は、魅力的でした。
・豊竹呂勢太夫さんの耳心地のよく、ゆったりした表現も堪能しました。
・豊竹睦太夫さんの伸びのある声にも魅了されました。
・鶴澤清介さんの柔らかみと角ばった感じを味わえる三味線は、味わい深かったです。
・鶴澤清治さんの柔らかく自然にすっと入ってくる三味線も魅力的でした。
・鶴澤清志郎さんの若々しく活動的な三味線も見事でした。
・桐竹勘壽さん演じる光秀の母さつきの、老年ながらキリっとした佇まいには、心惹かれました。
・吉田玉志さん演じる武智光秀からは、一本気さが伝わってきました。
・吉田文昇さん演じる真柴久吉からは、光秀家族とは違うからっとした印象を受けました。
劇場・それほど大きくない劇場ですが、人形劇ですので、人形を観るには前方、全体を観るには少し後方をお勧めします。

全体の感想

明智光秀が織田信長を討った歴史上の出来事を背景とし、光秀家族の情愛を趣き深く描いています。主殺しの謀反者を出してしまった家族の苦悩が丁寧に描かれています。
豊竹呂太夫さんの緩急ある、語り掛けるような表現は、豊竹呂勢太夫さんの耳心地のよく、ゆったりした表現、豊竹睦太夫さんの伸びのある声を堪能しました。
鶴澤清介さんの柔らかみと角ばった感じを味わえる三味線、鶴澤清治さんの柔らかく自然にすっと入ってくる三味線、鶴澤清志郎さんの若々しく活動的な三味線も魅力的でした。
桐竹勘壽さん演じる光秀の母さつきの、老年ながらキリっとした佇まい、吉田玉志さん演じる武智光秀の一本気さ、吉田文昇さん演じる真柴久吉からのからっとした雰囲気表現も見事でした。
慎ましやかな暮らしと華やかさ、家族の情愛を感じられる、お勧めの公演です。

管理人 について

これまでに多くのジャンルの舞台を鑑賞し、気が付けば1,500公演を超え、多い年には250公演を鑑賞していました。現在では、演劇、ミュージカルから、オペラ、バレエ、そして、歌舞伎、文楽、能・狂言も鑑賞するようになりました。最近では、クラシック・コンサートにも興味を持ち、足を運び始めました。 研究や仕事の合間に舞台を鑑賞することにより、気分が一新され、より研究や仕事がはかどった気がします。時間を融通して劇場へ足を運ぶことにより、心豊かになりました。
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