2020/8/10 小林沙羅 ソプラノ・リサイタル 日本の詩 ~小林さんの迫力と多彩な表現を聞き惚れる~

公演の概要

公演名小林沙羅ソプラノ・リサイタル 日本の詩
日時2020年8月10日(月) 14時開演
会場浜離宮朝日ホール
出演
(敬称略)
ソプラノ:小林沙羅
ピアノ:河野紘子
尺八:見澤太基
箏:澤村祐司
曲目武満徹:小さな空 (詩:武満徹)
山田耕筰:この道 (詩:北原白秋)
山田耕筰:赤とんぼ (詩:三木露風)
山田耕筰:ペチカ (詩:北原白秋)
中田章:早春賦 (詩:吉丸一昌)
越谷達之助:初恋 (詩:石川啄木)
武満徹:死んだ男の残したものは (詩:谷川俊太郎)
中村裕美:智恵子抄」より (詩:高村光太郎) 或る夜のこころ/あなたはだんだんきれいになる/亡き人に
早坂文雄:うぐひす (詩:佐藤春夫)
瀧廉太郎:荒城の月 (詩:土井晩翠)
宮城道雄:せきれい (詩:北原白秋)
宮城道雄:浜木綿 (詩:宮城道雄)
井上武士:うみ (詩:林柳波)
橋本国彦:お六娘 (詩:林柳波)
橋本国彦:舞 (詩:深尾須磨子)
小林沙羅:ひとりから (詩:谷川俊太郎)
〈アンコール〉
岡野貞一:故郷 (詩:高野辰之)
小林沙羅:えがおの花 (詩:小林沙羅)
上演時間(実際)第1部 48分(休憩22分)第2部・アンコール 71分 合計141分

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度5 out of 5 stars
・生歌とは思えないほどの声量で、広がりのある歌声を堪能できます。1曲ごとの表現が多彩で、物語性を感じます。
・日本の歌曲が、心に沁みます。ピアノ伴奏はもちろん、尺八や箏と合わせることにより、歌の違った表情を楽しめます。
初鑑賞での
おススメ度
5 out of 5 stars
・日本の歌曲を十二分に堪能できます。
どんな人に
おススメ?
・小林さんのファンの方はもちろん、日本の歌曲に興味のある方皆さんに、おススメです。
・なかなか聞く機会のない、尺八・箏と声楽の組み合わせに興味のある方には、貴重な機会です。

ポイントごとの感想

曲目・聞き覚えのある曲から、初めて聞く曲まで、日本の詩を楽しむことができました。
・日本の歌曲の多様性を知ることができ、もっと聞きたくなりました。
団体・
キャスト
・小林さんの表現が自由自在で、物語性を感じました。
・「舞」での日本舞踊を交えた歌唱表現の迫力には、魅了されました。
・小林さんが作曲された曲からは、広がりを感じました。
・ピアノの河野さん、箏の澤村さん、尺八の見澤さんの演奏も素晴らしく、日本歌曲の深みを感じました。
・歌曲の背景のご説明もあり、日本の詩への理解も深まりました。
劇場・音の響きがよい、豪華で素敵な劇場です。
その他・小林さん、箏の澤村さん、作曲の中村さんは、学生時代からのご友人だそうです。

全体の感想

聞き覚えのある曲から、初めて聞く曲まで、日本の詩を楽しむことができました。
小林さんは、生歌とは思えないほどの声量で歌われており、広がりのある歌声を堪能できました。
小林さんの表現は多彩で、物語性を感じます。「舞」では、小林さん自ら日本舞踊を踊られ、歌唱と合わせた表現の迫力には、魅了されました。
ピアノ伴奏はもちろん、尺八や箏と合わせることにより、歌の違った表情も楽しめました。
日本の歌曲を美しい歌声で味わえる、とてもお勧めの公演です。

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2020/8/6 バクステ! 3rd stage. ~舞台裏のスタッフの熱量を感じる、思いのこもった舞台~

公演の概要

公演名バクステ! 3rd stage.
日時2020年8月6日(木) 19時開演
会場赤坂RED/THEATER
作・演出・
振付
(敬称略)
作:堤 泰之
脚色・演出:南鳩史之
出演
(敬称略)
納谷 健 佐藤信長 阿部大地 高田 誠 小野寺ずる 糸原 舞 藤本かえで 難波なう 髙橋果鈴 瀬尾タクヤ 三上陽永 利根川 渡 笠原紳司 西ノ園達大
上演時間(実際)121分(休憩なし)

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度4.5 out of 5 stars
・舞台スタッフの皆さんの物語。ストーリーの面白さはもちろん、役者さんの迫力、エネルギーが体感できました。
初鑑賞での
おススメ度
4 out of 5 stars
・華やかな夢を見せてくれる舞台ではありませんので、リアルを描いたお芝居好きの方におススメです。
どんな人に
おススメ?
・演劇好きな方におススメです。舞台の裏方の皆さんの姿を垣間見られます。

ポイントごとの感想

演目・劇場のバックステージの人間模様が描かれています。
・舞台裏のスタッフの皆さんの、それぞれの役割に対する責任感が強く伝わってきました。
団体・
キャスト
・制作役の納谷さんの、淡々と仕事を進めているように見せながら内に思いを秘めている心持ちが、じんわりと伝わってきました。
・役者・利根川役の利根川さんの、一本気な役者魂は、心に熱いものが響いてきました。
・撮影役の佐藤さんの、空気を読めなさ、熱くなりやすさ、役者・豊役の阿部さんの、今どきの若者ぶりが、見事に表現されていました。
・舞台監督役の西ノ園さんの、舞台にかける思い、美術役の笠原さんの、律義に舞台を作り上げる情熱に、力強さを感じました。
・照明・我妻役の瀬尾さんの、がさつながら仕事熱心な技術者魂、梅木役の小野寺さんの、きちんとした仕事ぶりにも、魅力を感じました。
・ヘアメイク・今田役の糸原さんの、周りをよく見ているお局ぶり、米田役の難波さんの弾けっぷり、が対照的で、面白かったです。
・振付役の藤本さんの、ダンスから担当外の衣装までこなす舞台を愛する姿勢、舞台監督助手役の高田さんの、舞台を支える力も、印象的でした。
・音響・中役の、三上さんの寡黙に仕事を進める姿、今尾役の髙橋さんの仕事のできなさ表現も、舞台にいい空気感を与えていました。
劇場・こじんまりしていて、舞台上の世界にいるような気持ちになれる劇場です。
その他・開演前の感染症予防対策のご説明をはじめ、舞台にかけられる皆さんの思いが伝わってきました。

全体の感想

劇場のバックステージの人間模様が描かれています。舞台裏のスタッフの皆さんの、役割に対する責任感が強く伝わってきました。
制作役の納谷さんの、淡々と仕事を進めているように見せながら内に思いを秘めている心持ち、役者・利根川役の利根川さんの、一本気な役者魂など、スタッフ一人一人に物語があることを、感じました。
舞台監督役の西ノ園さんと、美術役の笠原さんの、良い舞台を作るための意見対立も見所です。
ストーリーの面白さはもちろん、役者さんの迫力、エネルギーが体感できる、お勧めの舞台です。

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2020/8/5 新国立劇場「イヌビト ~犬人~」 ~演劇とダンスが融合した、見事な空間表現~

公演の概要

公演名新国立劇場 イヌビト ~犬人~
日時2020年8月5日(水) 19時開演
会場新国立劇場 中劇場
作・演出・
振付
(敬称略)
作・演出:長塚圭史
振付:近藤良平
出演
(敬称略)
近藤良平 首藤康之 長塚圭史 松たか子
入手杏奈 岩渕貞太 碓井菜央 大久保祥太郎 黒須育海
柴 一平 島地保武 中村 駿 西山友貴 浜田純平
上演時間(実際)83分(休憩なし)

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度4.5 out of 5 stars
・ご時世を反映した感染症の物語です。重いテーマですが、淡々とした軽いテンポで進みますので、お芝居の世界にはすんなりと入り込めます。
・お芝居だけでなくダンスの場面もあり、複合的な楽しさがあります。
初鑑賞での
おススメ度
3.5 out of 5 stars
・一人の登場人物の人生を一人の役者さんが演じ切るのではなく、舞台途中での役柄変化もありますので、見慣れている方の方が楽しめます。
・テーマが現実世界をリンクする面がありますが、お芝居として見た方がよいと思います。
どんな人に
おススメ?
・演劇好きな方だけでなく、子どもの皆さんも楽しめます。
・主役級の出演者の登場時間が長く、ファンの方は楽しいと思います。

ポイントごとの感想

演目・ご時世を反映した物語である分、作られるのは難しかったと思います。
・見えないもの、分からないものに対する人間の恐れを、お芝居を通して感じさせてくれました。
団体・
キャスト
・案内役/マツダタケコ役の松さんの、ストーリー・テラーぶりが見事でした。犬の鳴き声も担当されていますが、松さんとは分からないほど印象的でした。歌唱場面も部分的にあり、美しい歌声を堪能しました。
・タナカ役の首藤さんの、ひょうひょうとしたお芝居が魅力的でした。
・ツマコ役の島知さんの、大きな表現が楽しめます。
・カナタ役の西山さんの、控えめで無口な少年表現が、何ともいえない世界を作られており、目を引かれました。
・ジョシュモト役の長塚さんには、舞台の空気を一変させる存在感を感じました。
・ダンスは、大人数の空間配置が美しく、心に響くものがありました。
劇場・奥行きのある劇場で、お芝居とダンスが融合された公演を立体的に楽しめます。

全体の感想

ご時世を反映した感染症の物語です。重いテーマですが、淡々とした軽いテンポで進みますので、お芝居の世界にはすんなりと入り込めます。
見えないもの、分からないものに対する人間の恐れが表現されていますが、恐れるべきは感染症ではなく、人間ではないかとも感じました。
案内役/マツダタケコ役の松さんのストーリー・テラーぶりが見事でした。歌唱シーンでの美しい歌声も堪能しました。
演劇とダンスが融合されていますが、大きな舞台空間が見事に生かされていました。
難しいテーマながら、演劇とダンスで肩の力を抜いて鑑賞できる、お勧めの舞台です。

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2020/8/2 宝塚歌劇団宙組「FLYING SAPA -フライング サパ-」 ~シリアスな世界を華やかな役者さんで堪能~

公演の概要

公演名宝塚歌劇 宙組公演 FLYING SAPA -フライング サパ-
日時2020年8月2日(日) 16時30分開演
会場梅田芸術劇場 メインホール
作・演出
(敬称略)
作・演出:上田 久美子
出演
(一部)
(敬称略)
オバク:真風 涼帆
ミレナ:星風 まどか
ノア :芹香 斗亜
上演時間(実際)第1幕 61分(休憩 31分)第2幕 79分 合計 171分

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度5 out of 5 stars
・重厚な演劇を楽しめます。
・宝塚歌劇団の皆さんが演じるシリアスな舞台。ミュージカルとはまた違った魅力があります。
初鑑賞での
おススメ度
4 out of 5 stars
・華やかなミュージカルではなく、明るい物語でもありませんので、演劇を見慣れている方向けです。
・哲学的な内容のお芝居ですので、合わない方もいらっしゃると思います。
どんな人に
おススメ?
・哲学的なテーマを扱った演劇が好きな方におススメします。
・ミュージカルとは違った出演者の一面を発見したい方も、楽しめます。

ポイントごとの感想

演目・平和な世界を作るために個人情報管理はどうあるべきか。哲学的なテーマを扱う重厚な演劇です。
・暗めの舞台照明ですが、ほとばしるエネルギーが伝わってきます。
団体・
キャスト
・オバク役の真風さんの、キリっとした魅力、リーダーシップが伝わってきました。
・ミレナ役の星風さんの、芯のある力強さ、醸し出す空気感が魅力的でした。
・ノア役の芹香さんからは、優し気な雰囲気を感じました。
・総統01役の汝鳥さんの存在感が抜群で、言葉に説得力がありました。
・スポークスパーソン101役の紫藤さんは、爽やかな好青年を演じていました。
・イエレナ役の夢白さんは、激しさのある女性を敏捷に演じており、目を引かれました。
劇場・大きな劇場ですので、出演者を見たいときには前方、全体の広がりを立体的に鑑賞したときには後方を、お勧めします。

全体の感想

平和な世界を作るために個人情報管理はどうあるべきか。哲学的なテーマを扱う重厚な演劇です。
宝塚歌劇団の皆さんが演じるシリアスな舞台。ミュージカルとはまた違った魅力があります。
オバク役の真風さんのキリっとした魅力、ミレナ役の星風さんの芯のある力強さ、ノア役の芹香さんが醸し出す優し気な雰囲気が魅力的でした。
総統01役の汝鳥さん、スポークスパーソン101役の紫藤さん、イエレナ役の夢白さんのお芝居も、印象に残りました。
重いテーマではありますが、ほとばしるエネルギーを感じられる、お勧めの舞台です。

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2020/8/2 劇団四季「リトルマーメイド」 ~恋物語を、迫力ある表現豊かな歌声で楽しむ~

公演の概要

公演名劇団四季 リトルマーメイド
日時2020年8月2日(日) 13時10分開演
会場大阪四季劇場
作曲・作詞
台本・演出
(敬称略)
作曲:アラン・メンケン
作詞:ハワード・アッシュマン、グレン・スレイター
台本:ダグ・ライト
演出:グレン・カサール
日本語版歌詞・台本:藤川和彦
翻訳協力:井筒 節
出演
(一部)
(敬称略)
アリエル:木村奏絵
エリック:大木智貴
アースラ:鈴木釉佳之
トリトン:金本和起
セバスチャン:有賀光一
スカットル:丹下博喜
グリムスビー:田島康成
フランダー:平田了祐
フロットサム:品川芳晃
ジェットサム:八百亮輔
シェフ・ルイ/リーワード:杉浦 洸
上演時間(実際)第1幕 69分(休憩 20分)第2幕 64分 合計 153分

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度4.5 out of 5 stars
・表現豊かな歌声と、美しいダンスで、海中世界がうまく表現されています。
・コミカルな場面も多く、優しい気持ちになれます。
初鑑賞での
おススメ度
4 out of 5 stars
・分かりやすいストーリーですので、初見でも十分に楽しめます。
・比較的シンプルな舞台セットですが、想像力をかきたてられるセットが見物です。
どんな人に
おススメ?
・ミュージカル好きの方、劇団四季ファンの方におススメします。

ポイントごとの感想

演目・海の王の娘である人魚と人間の王子の恋物語。海中世界と地上世界がともにコミカルに描かれています。
・耳あたりのよい曲ばかりで、とても楽しい気分で鑑賞できます。
団体・
キャスト
・アリエル(人魚)役の木村さんの表現力豊かな歌声に、心を揺さぶられました。表情変化も巧みです。
・エリック役の大木さんの落ち着いた王子ぶり、深みのある歌声を堪能しました。
・アースラ(海の魔女)役の鈴木さんの迫力があるお芝居と力強い歌声に、怖さすら覚えました。
・トリトン(アリエルの父)役の金本さんの重厚感ある歌声は聞き所です。
・セバスチャン(カニ)役の有賀さんのお芝居と歌は、真面目さの中にあるひょうきんさに、笑いを誘われました。
・スカットル(カモメ)役の丹下さんのコミカルなお芝居と歌声が印象的でした。
・グリムズビー(エリック王子の家令)役の田島さんの優しいたたずまいに、心が温かくなりました。
・フランダー(魚)役の平田さんの、ゆったりとした空気感も魅力的です。
・シェフ・ルイ(王宮料理人)役の杉浦さんのお芝居は、思わず笑ってしまう面白みがありました。
・男性アンサンブルの方々に、海の男の力強さを感じました。
・女性アンサンブルの方々は、アリエルの姉を演じられていますが、美しい歌声に魅了されました。
劇場・収容人数が多い劇場ながら、舞台がとても近く感じます。

全体の感想

海の王の娘である人魚と人間の王子の恋物語。海中世界と地上世界がともにコミカルに描かれています。
比較的シンプルな舞台セットながら、海の中の世界をうまく表現されていました。
アリエル役の木村さんの表現力豊かな歌声、巧みな表情変化に、心を揺さぶられました。
エリック役の大木さんの落ち着いた王子ぶり、深みのある歌声も堪能しました。
アースラ役の鈴木さんの迫力があるお芝居と力強い歌声、セバスチャン役の有賀さんの、真面目さの中にあるひょうきんさも印象的でした。
男性アンサンブルの方々の、海の男の力強さ、女性アンサンブルの方々の美しい歌声にも、魅了されました。
温かい気持ちになれる、お勧めの舞台です。

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