2020/9/5 梅田芸術劇場×チャリングクロス劇場「VIOLET」 ~唯月さんの輝く存在感、美しい歌声を堪能~

公演の概要

公演名梅田芸術劇場×チャリング・クロス劇場「VIOLET」
日時2020年9月5日(土) 18時30分開演
会場東京芸術劇場 プレイハウス
原作・演出
脚本・作詞
振付・翻訳
(敬称略)
音楽:ジニーン・テソーリ
脚本・歌詞:ブライアン・クロウリー
原作:ドリス・ベッツ『The Ugliest Pilgrim』
演出:藤田 俊太郎
振付:新海 絵理子
翻訳・訳詞:芝田 未希
出演
(敬称略)
ヴァイオレット:唯月 ふうか
モンティ:成河
フリック:吉原 光夫
父親:spi
ヴァージル:横田 龍儀
リロイ:岡本 悠紀
ミュージックホール・シンガー:エリアンナ
ルーラ:谷口 ゆうな
ヤングヴァイオレット:稲田 ほのか
伝道師:畠中 洋
老婦人:島田 歌穂
上演時間(実際)124分(休憩なし)

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度5 out of 5 stars
・シンプルなセットの中で演じられる、心と体に傷を抱えた女性の物語が、素晴らしい演技と歌唱により、広がりを持って感じられました。
・出演者の皆さんから伝わってくるエネルギーが大きく、お芝居を超えたミュージカルの力強さを感じました。
初鑑賞での
おススメ度
5 out of 5 stars
・派手な舞台ではありませんが、ミュージカルを楽しめると思います。
どんな人に
おススメ?
・ミュージカル好きの方でしたら、どなたにもおススメしたいです。
・ミュージカルに興味のある方にも、是非観ていただきたいです。

ポイントごとの感想

演目・幼い頃に顔に大きな傷を負った女性が、傷を治しに伝道師のもとへ向かう過程での出会いを描いた物語で、派手な展開がある訳ではありません。
・人間の心の動きを感じられる、心に響く物語です。
団体・
キャスト
・ヴァイオレット役の唯月さんの、光を発しているかのような存在感には目を見張るものがありました。歌声と演技も素晴らしく、場の空気を支配するパワーを感じました。
・モンティ役の成河さんの、軽さのあるお茶らけ感のあるお芝居、歌声が魅力的でした。
・フリック役の吉原さんの、ちょっと怖さすら感じるほどの力強さが、お芝居と歌の両方から感じられました。
・ミュージックホール・シンガー役のエリアンナさんと、ルーラ役の谷口さんの、迫力ある歌声を堪能しました。
・老婦人役の島田さんの醸し出す空気感、伝道師役の畠中さんの癖のある人物表現も見事でした。
・ヤングヴァイオレット役の稲田さんは、お芝居も歌唱も素敵で、唯月さん演じるヴァイオレットの子ども時代を見事に表現されていました。
劇場・広めの劇場ですので、出演者を間近で見たい場合には前方、舞台表現の全体像を楽しみたい場合には後方を、お勧めします。

全体の感想

幼い頃に顔に大きな傷を負った女性が、傷を治しに伝道師のもとへ向かう過程での出会いを描いた物語で、派手な展開がある訳ではありませんが、心に響く物語です。
シンプルなセットの中で演じられる、出演者の皆さんから伝わってくるエネルギーが大きく、お芝居を超えたミュージカルの力強さを感じました。
ヴァイオレット役の唯月さんの、光を発しているかのような存在感には目を見張るものがありました。歌声と演技も素晴らしく、場の空気を支配するパワーを感じました。
モンティ役の成河さんの、軽さのあるお茶らけ感のあるお芝居、歌声、フリック役の吉原さんの、ちょっと怖さすら感じるほどの力強さのあるお芝居と歌声が、とても魅力的でした。
ミュージックホール・シンガー役のエリアンナさんと、ルーラ役の谷口さんの、迫力ある歌声、老婦人役の島田さんの醸し出す空気感、伝道師役の畠中さんの癖のある人物表現も見事でした。
ヤングヴァイオレット役の稲田さんは、お芝居も歌唱も素敵で、唯月さん演じるヴァイオレットの子ども時代を見事に表現されていました。
心に響き、ミュージカルの力強さを感じる、とてもお勧めの公演です。

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2020/9/5 キハラ良尚&モーツァルト・シンガーズ・ジャパン「魔法の笛」 ~コミカルなお芝居を美しい演奏、歌唱とダンスで堪能~

公演の概要

公演名キハラ良尚&モーツァルト・シンガーズ・ジャパン「魔法の笛」
日時2020年9月5日(土) 14時開演
会場かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
作曲・指揮
構成・振付
(敬称略)
作曲:モーツァルト オペラ『魔笛』より
指揮:キハラ 良尚
構成:宮本 益光
振付:成平 有子
出演
(敬称略)
ザラストロ:伊藤 純
タミーノ:望月 哲也
夜の女王:針生 美智子
パミーナ:文屋 小百合
侍女I:増田 のり子
侍女II:小泉 詠子
侍女III:中島 郁子
パパゲーノ:宮本 益光
パパゲーナ:鵜木 絵里
モノスタトス:伊藤 達人
魔法の笛:上野 由恵
魔法の鈴:作本 美月
童子I:横森 由衣
童子II:松原 典子
童子III:加藤 麻子
ナレーション:長谷川 初範
上演時間(実際)第1幕 48分(休憩 22分)第2幕 56分 合計 126分

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度4.5 out of 5 stars
・オペラ「魔笛」の名場面が、ナレーションやダンス付きで分かりやすく構成されています。
・美しいメロディーに乗せた歌声を堪能することができます。
初鑑賞での
おススメ度
4 out of 5 stars
・舞台全体を使うオペラというよりも、歌声を中心に楽しむような構成です。
・名作の抜粋であり、オペラ全幕とは違った趣きがあります。
どんな人に
おススメ?
・オペラの作品に気軽に触れてみたい方におススメします。
・ストーリーを分かりやすく伝えるナレーションやダンスがあり、趣向の楽しさを味わいたい方にもおススメです。

ポイントごとの感想

演目・魔法の笛を手に入れた王子が姫を助けに行く物語ではありますが、楽しさを重視した様々な趣向が凝らされており、ストーリーを意識しなくても場面場面を楽しむことができます。
団体・
キャスト
・パパゲーノ役の宮本さんのコミカルなお芝居、響き渡る歌声に魅了されました。
・モノスタトス役の伊藤さんの存在感、迫力ある歌声にも、心惹かれました。
・パミーナ役の文屋さんの、美しく広がりのある歌声は、とても耳心地がよかったです。
・パパゲーナ役の鵜木さんの、台詞表現の巧みさには、目を見張るものがありました。
・夜の女王役の針生さんの超絶技巧には、驚かされました。
・魔法の鈴役の作本さんの変幻自在なダンス、気だるさを表現は見事でした。
・魔法の笛(フルート)を演奏された上野さんの音色には、心振るわされました。
・ザラストロ役の伊藤さんの落ち着きある表現、タミーノ役の望月さんの若さを感じさせる歌声も堪能しました。
・長谷川さんのナレーションが、舞台に深みを与えていました。
・キハラさん指揮のオーケストラ演奏も見事で、舞台空間を彩っていました。
劇場・少し広めの劇場ですので、出演者を観るには前方、全体を観るには少し後方をお勧めします。
その他・字幕表示があり、外国語上演でも内容を理解しながら鑑賞できます。

全体の感想

オペラ「魔笛」の名場面が、ナレーションやダンス付きで分かりやすく構成されており、美しいメロディーに乗せた歌声を堪能することができます。
パパゲーノ役の宮本さんのコミカルなお芝居、響き渡る歌声、モノスタトス役の伊藤さんの存在感、迫力ある歌声に、魅了されました。
パミーナ役の文屋さんの美しく広がりのある歌声、パパゲーナ役の鵜木さんの台詞表現の巧みさ、夜の女王役の針生さんの超絶技巧には、目を見張るものがありました。
魔法の鈴役の作本さんの変幻自在なダンス、気だるさを表現したお芝居、魔法の笛(フルート)を演奏された上野さんの音色には、心振るわされました。
ザラストロ役の伊藤さんの落ち着きある表現、タミーノ役の望月さんの若さを感じさせる歌声も堪能しました。
長谷川さんのナレーションが、舞台に深みを与えており、キハラさん指揮のオーケストラ演奏も見事で、舞台空間を彩っていました。
オペラ作品を気軽に楽しめる、お勧めの公演です。

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2020/9/3 国立能楽堂ショーケース「仏師/安達原」 ~日本の伝統芸能をじっくり堪能、解説で知識も深まる~

公演の概要

公演名国立能楽堂ショーケース 仏師/安達原
日時2020年9月3日(木) 19時開演
会場国立能楽堂
出演
(敬称略)
解説
佐久間 二郎
狂言 仏師(和泉流)
シテ/すっぱ:野村 太一郎
アド/田舎者:竹山 悠樹
能 安達原(観世流)
シテ/女・鬼女:中所 宜夫
ワキ/阿闍梨祐慶:大日方 寛
ワキツレ/山伏:野口 琢弘
アイ/能力:内藤 連
上演時間(実際)解説 21分・狂言 25分(休憩 13分)能 57分 合計 116分

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度4.5 out of 5 stars
・能や狂言の歴史から能舞台についてまで解説してくださり、より興味が深まりました。
・能も狂言もコンパクトな構成で、楽しむことができました。
初鑑賞での
おススメ度
4.5 out of 5 stars
・なかなか観る機会のない能と狂言を、お手軽に楽しむことができます。
・20分ほどの解説がありますので、能や狂言についての知識を得ることができ、親しみを感じられます。
どんな人に
おススメ?
・能や狂言を見慣れている人にはもちろんにおススメです。
・能や狂言に興味はあるものの、なかなか一歩を踏み出せない方にとっては、気軽に一歩を踏み出せる公演です。

ポイントごとの感想

演目・「仏師」は、田舎者をだますすっぱ(詐欺師)の振舞いがコミカルで、楽しませてくれます。
・「安達原」は、山伏一行とそれを迎える女の何ともいえない情念が描かれ、おどろおどろしさすら感じます。
団体・
キャスト
・「仏師」:すっぱ役の野村さん、田舎者役の竹山さんの言葉遣い、振舞いから、自然と笑いに誘われました。
・「安達原」:女・鬼女役の中所さんの醸し出す空気感に、何ともいえない迫力を感じました。阿闍梨祐慶役の大日方さん、山伏役の野口さん、能力役の内藤さんの声には、深く突き刺さるように感じるほどの力がありました。
劇場・舞台を正面から見る、横から見る、斜めから見るという、3つの選択肢があります。初見では、正面からの鑑賞をお勧めします。

全体の感想

能や狂言の歴史から能舞台についてまで解説してくださり、より興味が深まりました。
能も狂言もコンパクトな構成で、楽しむことができました。
「仏師」は、田舎者をだますすっぱ(詐欺師)の振舞いがコミカルで、楽しませてくれます。
「安達原」は、山伏一行とそれを迎える女の何ともいえない情念が描かれ、おどろおどろしさすら感じました。
なかなか観る機会のない能と狂言を、お手軽に楽しむことができる、お勧めの公演です。

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2020/9/2「Fly BY Night ~君がいた」 ~心にじんわりと響いてくる舞台、ミュージカルの素晴らしさと力を感じる~

公演の概要

公演名Fly By Night ~君がいた
日時2020年9月29日(水) 19時開演
会場シアタートラム
原案・脚本
翻訳・演出
作詞・作曲
音楽監督
(敬称略)
日本語上演台本・訳詞・演出:板垣恭一
原案:キム・ロゼンストック
脚本・作詞・作曲:ウィル・コノリー、マイケル・ミットニック、キム・ロゼンストック
翻訳:工藤紅
音楽監督:桑原まこ
出演
(敬称略)
内藤大希 青野紗穂 万里紗 遠山裕介 内田紳一郎 福井晶一 原田優一
上演時間(実際)第1幕 68分(休憩 17分)第2幕 70分 合計 155分

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度5 out of 5 stars
・ミュージカルの力を感じる舞台でした。
・シンプルなセットの中で、出演者の皆さんの演技力、歌唱力が紡ぎ出す物語が、美しい音楽に乗って、観る者の心に響いてきました。
初鑑賞での
おススメ度
5 out of 5 stars
・大劇場の豪華なセットでの公演とは違いますが、「ミュージカル」を楽しむことができます。
どんな人に
おススメ?
・ミュージカル好きの方でしたら、どなたにもおススメしたいです。
・ミュージカルに興味のある方にも、是非観ていただきたいです。

ポイントごとの感想

演目・ニューヨークで生活する人々の1年間を描いた群像劇です。
・ばらばらに生活していた人々の人生が、最後には交錯するまでの、ストーリー展開が見事です。
団体・
キャスト
・ナレーター役の原田さんが、老若男女を問わず見事に演じられています。声色の変化、身のこなし、など何もが印象的です。
・ハロルド役の内藤さんは、淡々とした中にある感情変化を繊細に演じられていました。
・ダフネ役の青野さんは、元気で勝気な女性を魅力的に演じられていました。
・ミリアム役の万里紗さんは、健気な女性を演じられながら、控え目であったり、積極的であったり、表現の振り幅も印象的でした。
・ジョーイ役の遠山さんは、ちょっと癖のある男性を演じられながらも、魅力が伝わってきました。
・クラブル役の内田さんの、存在感あふれる演技は見事でした。
・マックラム役の福井さんは、暗めの役柄を丁寧に表現されており、心に秘めた感情が、じわじわと伝わってきました。
・皆さんの素晴らしい歌唱力、表現力に魅了される舞台でした。
劇場・こじんまりとした劇場ですので、舞台との一体感を味わえます。

全体の感想

ニューヨークで生活する人々の1年間を描いた群像劇です。
ばらばらに生活していた人々の人生が、最後には交錯するまでの、ストーリー展開が見事です。
ナレーター役の原田さんの、老若男女を問わない見事な演技が印象的でした。声色の変化、身のこなし、など何もが印象的です。
ハロルド役の内藤さんの淡々とした中にある感情変化表現、ダフネ役の青野さんが演じられる元気で勝気な女性、ミリアム役の万里紗さんが演じられる健気な女性が、魅力的でした。
ジョーイ役の遠山さんが演じあられる癖がありながら魅力的な男性、クラブル役の内田さんの存在感あふれる演技、マックラム役の福井さんからじわじわと伝わってくる心情も、印象に残りました。
とにかく、皆さんの素晴らしい歌唱力、表現力に魅了される舞台で、シンプルなセットの中で、出演者の皆さんが紡ぎ出す物語が、美しい音楽に乗って、心に響いてきました。
ミュージカルの力を感じられる、とてもお勧めの公演です。

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2020/9/1 星の数ほど星に願いを ~舞台鑑賞の価値観が動揺する公演、なかなか味わえない不思議な体験~

公演の概要

公演名星の数ほど星に願いを
日時2020年9月1日(火) 19時開演
会場紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
作・演出
(敬称略)
作・演出:ブルー&スカイ
出演
(敬称略)
内田理央 田村健太郎 安澤千草 吉増裕士 師岡広明 水野小論 神谷圭介 大堀こういち
上演時間(実際)110分(休憩なし)

詳細は、公式サイトをご覧ください。

公演のおススメ度

おススメ度4 out of 5 stars
・変わった人たちの中で繰り広げられる変わったお芝居です。
・出演者の皆さんが、その世界観をうまく作り上げています。
初鑑賞での
おススメ度
3 out of 5 stars
・ちょっと変わったお芝居ですので、お芝居を見慣れている方の方が楽しめると思います。
どんな人に
おススメ?
・ストーリーが論理的に組み立てられた演劇とは違うタイプのお芝居です。違う角度からお芝居を楽しみたい方におススメします。

ポイントごとの感想

演目・下町の町工場の人々と、融資担当の銀行員の間で繰り広げられる物語です。ちょっと普通とは違う考え方をする人たちの行動・会話が面白おかしく展開されます。
団体・
キャスト
・客席で観ていますと、笑いたくなることばかりです。それを冷静に演じられる出演者の皆さんは、すごいと思います。
・主演の内田さんの振り切った感じが素敵でした。
・芸達者な皆さんですので、物語の世界に浸って楽しめます。
劇場・縦に長めの劇場ですので、後方ですと少し遠く感じます。

全体の感想

下町の町工場の人々と、融資担当の銀行員の間で繰り広げられる物語です。
ちょっと普通とは違う考え方をする人たちの行動・会話が面白おかしく展開されます。
出演者の皆さんが、その世界観をうまく作り上げています。
主演の内田さんの振り切った感じが素敵で、出演者の皆さんの芸達者ぶりは見事でした。
お芝居に対する認識の変更を迫られる、なかなか観られないタイプのお芝居です。

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